5月は、お茶にとっては「衣替え」の季節です。
一番のちがいは、炉が風炉に替わること。
炉は「ろ」、風炉は「ふろ」と読みます。
釜でお湯を沸かす火の位置が、変わるんです。
※炉の点前(11月~4月)
※風炉(5月~10月)
茶室の雰囲気もガラリと変わりますね~♪
風炉に替わったことで、お道具も変わるんですよ。
実はお湯をすくう、「柄杓(ひしゃく)」も寸法がちがうんです。
詳しくはここでは触れませんが、お道具だけでなく、襖の建具も「よしず」になったりと、すべて「夏仕様」になります。
そして、もてなす側・亭主の心遣いも変わるわけです。
寒い時期の炉の季節は、暖を取って温かくもてなすことに心をくだき。
暑い時期の風炉の季節は、いかに涼しさを感じてもらうかに思いを致します。
もちろん5月には5月の爽快さ、8月の猛暑にはそれに合った涼しげな風情で、おもてなしをします。
季節の移り変わりとともに、道具もお菓子も、何もかも変わっていく「季節感」が代名詞ともいえる茶の湯。
和菓子もお茶も、その季節その日だけの風情の中でいただくもの。
同じように見える「一服のお茶」も、一期一会なのです。