思いやり・気づかい

【茶道】初釜の持ち物、会費の包み方と表書き、着物で気を付けること、恥ずかしくないマナーについて。

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1月の稽古は、新年の楽しみ「初釜」です。

結び柳に紅白の椿、青竹の花入れ、炭台、重ね茶碗、干支のお道具など、お正月ならではの茶事は、あらたまって格式高く、それでいて風情があります。

1年に1度の茶事、という方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、今回は初釜で必ずいる持ち物をご紹介します。

私は表千家流ですが、流派やお稽古場によって違いがあることをご了承くださいませ。

 

 

【初釜の持ち物:茶室で使うもの】

初釜の持ち物で、茶室で使うものは、帛紗、懐紙、そして扇子の3つです。

・帛紗:朱の帛紗、出し帛紗(濃茶の点前をする場合)。正客をされる方は、きれいな朱の帛紗を用意します。お道具の拝見を、帛紗とともにも回すことがあるからです。

・懐紙:多めに持って行きましょう。懐石を頂いた後、器を清めるのに懐紙で拭きます。袋懐紙もあると、いざという時に役立ちます。

・扇子:稽古と同じもの。

帛紗ばさみや懐紙入れは、正式には、茶席へは持って入いりません。服紗ばさみを、帯の太鼓に入れるのも、本来はNGとも言われています。私はやりません。

帛紗と懐紙は胸元に入れ、扇子は帯に入れて、手ぶらで席に入ります。

使った懐紙は、右のたもとに入れます。襦袢が汚れるのが心配なときは、袋懐紙が便利ですよ。

炭点前、懐石、濃茶、後炭、薄茶と全ての流れは、帛紗、懐紙、扇子があれば事足ります。

 

【初釜の持ち物:待合で使うもの】

初釜の持ち物で、待合で使うものを見てみましょう。

待合では、茶席に入る前に、荷物や身なりを整えます。

替えの足袋:洋服の方はソックスを。外のほこりは、中に入れないようにしましょう。

御会費や御年賀:ご指示のあった金額の新札を包みます。お出しするタイミングは、招かれた人たち皆一緒にすると、ご亭主の手をわずらわせません。

風呂敷:自分の荷物をまとめるのに使います、茶席に持って入るものを出したら、コートとバッグは風呂敷に包んで1つにまとめ、待合や荷物置き場に置いておきます。

 

 

 

【御会費の包み方と表書き】

初釜の御会費の包み方と表書きは、どうでしょうか。

初釜に持って行く金封は、初釜の「御会費」と「御年賀」の2種類あります。

御会費は、先生からご指示のあった金額を新札で入れます。封筒の中で、新札を懐紙で包むと綺麗ですね。

表書きは、「御挨拶」「御初釜 御挨拶」「御初釜 御会費」「御会費」 などです。

御水屋料」を別途お包みする場合もありますので、確認しておきましょう。

 

・お弟子さんどうしで、御年賀などの申し合わせがあれば、両方を別々の金封に入れてお持ちします。
御年賀の表書きは、「御年賀」「御年賀 御挨拶」などです。

名前はキチンと表にフルネームで書くのがマナーです。

 

【恥ずかしくないマナー】

マナーは知っておくのと知らないとでは大違い。
茶席では恥をかきたくない、と思うのが人の心。
マナーは特別なものではなく、普段からの準備があるかどうかで決まります。

初釜は、先輩方や違う曜日の方たちと一緒になることがあり、緊張しますよね。マナーは基本的に普段の稽古と同じだと、私は思います。

普段の稽古は、茶事の「割り稽古」です。
炭点前なら炭点前だけ、濃茶なら濃茶だけ、薄茶なら薄茶だけ、それぞれを稽古します。お客さんになっている時も同様に「割り稽古」です。
それらを通しでするのが「茶事」です。

一般に販売されている本で予習をしたりできますので、自分の流派の茶事や点前の教本を読んでおくことも、準備の一つですね。

お道具のことを、ご亭主にたずねるのは、すべて正客の方がされます。次客より下座(げざ)に座ったら、ご亭主に直接たずねるのを控えるのがマナーです。

 

私は表千家流を30年余り習い、3人の先生の元でお稽古をさせていただきました。今も稽古に通っています。お稽古場が変わったのは、1度目は転勤のとき、2度目は先生がご高齢になりお稽古場を閉じられたときでした。

お茶というのは、先生によって、お稽古場によって、多少の違いがあります。細かなことですが大切です。なので、ネットで調べた情報よりも、教本よりも、分からないことは、先生(場合によっては社中の先輩方)に必ず教えを請い、先生のおしゃるとおりにするのが習いです。

 

【初釜は着物で!というかたへ】

初釜は着物で!という方も多いと思います。普段と少し勝手がちがうので、気を付けておくことをお伝えしますね。

着物の場合は、いつもより往復に時間がかかるので、早めに準備をして、早めに家を出ましょう。洋服よりも、多少動きづらく、歩幅が小さいですからね(笑)

着物をお召しのときは、裾を少し短めに着付けておくと、立ち座りがスムーズです。裾が畳スレスレだと、立ち上がるときに、後ろの裾が、かかとに引っ掛かった経験はありませんか?

 

 

初釜という特別なお席ですが、社中の場合は「初釜の稽古」だと思って楽しんできてくださいね!

 

 

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  • この記事を書いた人
市川弘美

市川弘美

茶道の楽しさや「和」への感性、そして侘び寂びの「美」について、「茶の湯」のことを分かりやすい表現で文章にし、読者の皆さまへお届けします。

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