茶道というと、作法や点前(てまえ)の順番がきっちりしているのでは、というイメージのかたも多いと思います。
それは本当で、いわば一挙手一投足が定められています。
ただ、特別なものではなく、理屈に合ったごく当たり前のものばかりなんです。
たとえば、お茶をいただくとき、自分の番がまわってきたら、
・すでに飲み終わった隣の方には「お続きはいかがですか?」とたずね、
・自分より後にお茶を飲まれるかたには「お先にちょうだいします」と挨拶をします。
これらは、ご一緒している方々への配慮、思いやりからきていますよね。
決まりごとではありますが、本来はそういう気づかいが自然と振る舞われるのが、理想といえば理想ですね。
何もかも自動化されAI(人工知能)が進む現代、人と人とが交わる機会は、確実に減っています。
人と人との交わりが減るぶん、「思いやり」を言葉と態度で表す場面も減るということ。
こんな時代だからこそ、各種マナー講座などは人気があり、人々は思いやることを忘れたくないのかもしれません。
お茶の稽古を繰り返すことで、作法は身に付きますし、「お先にちょうだいします」という言葉にも、ふだんの稽古から「心を込めて」挨拶をすることで、身に付くものの質は変わってきますよね。
作法はかたくるしいと思われがちですが、形にこだわらず、すべては「心を込める」ことから始めましょう♪